シークエンス

シー・クエンス
仕事ものがたり

写真

この土地は商品になるか?その見極めをするには徹底したマーケットリサーチ。

土地が出るという情報を仕入れると、時間をかけて徹底的にマーケットリサーチをする。当たり前といえば当たり前のことではあるが、シー・クエンスの場合はここに必要以上に神経を使う。最終的な購入者となる消費者が、この土地に家を建てて本当によかった、と心から思ってもらいたいからである。その土地に建つ家は、どんな客層で、どんな大きさの家を欲しがっていて、年収や貯蓄はどの程度なのか。まだ見ぬ、いや、その先も会うことはないであろう購入者にいくらで販売すれば、その家族が幸せになれるのか。あらゆるリサーチをかけて数字を出す。つまり、住宅メーカーの売値を考えてから、シー・クエンスの売値を提案するのである。かつて住宅メーカーから高値で売って欲しいといわれ「その価格で売ったら消費者の手元にいくときに想定よりも高くなってしまう、だから売らない」とつっぱねたこともある。

そのリサーチは、かなり辛い過程なのでは?と問うと、藤井は「確かに辛いところだけど楽しいところでもある。あ、いや、やっぱり楽しいな。うちの会社の提案がジャストミートした時の住宅メーカーの担当者の嬉しそうな顔が一番の喜びだからね。もちろんその先の購入者の笑顔も」と話す。

そしてもうひとつ付け加えた。「このリサーチは何があろうと絶対に怠らない。我らは黒子なんだから、黒子がリサーチを怠るなんてありえないことだから」と。