シークエンス

シー・クエンス
仕事ものがたり

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業界の常識?なにそれ? 純粋がゆえに生まれるシー・クエンスの発想。

都市計画法とか森林法という法律があるらしい。一般人には無縁の言葉だが、宅地開発を旨とするシー・クエンスにとっては、絶対に頭に入れておかなければいけない知識のひとつである。土地を開発してもいいが、環境を守るために一部の森林を残す、あるいは森林を作ることが法律で定められているエリアがあるのだ。愛知県のある町の案件のこと。森林法によって、全開発区域の20%は森林として残さなければいけない地域だった。20%の森林があるということは、そこには住宅が建てられないから、宅地開発業者にとっても不動産業者にとっても、利益率は低い。だから誰も手をつけない土地だった。

業界の常識にとらわれていたら、せっかくの良い土地に家を建てることができなくなるとばかりにどんどん実行に移すのが、藤井のやり方である。「森林法の規定では、ひとつの場所にまとめて20%の森林にしなければいけないとは一言も書いていなかった。だから森林を全体に分散して作ることで、利益もでて、良い土地として仕立てることができるとわかったので、それを担当者にぶつけてみたんだよね」と藤井。森林の定義をしっかり下調べして、行政の担当者を驚かせながらも、無事に合計20%の森林のある宅地を開発することができた。これは、ある意味で、純粋がゆえの発想だと言えるのではないだろうか。