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梅雨の時期こそ、こころ晴れやかに

毎日天気予報とにらめっこしなければならない梅雨シーズン。雨が続くと、湿気が多くなって不快指数も高くなり、なんとも憂鬱な気分になる。こんな時、どう過ごしたら気分が上がるのか。そんなヒントを和歌から読み取ってみた。

〜五月雨の 晴れ間に出て 眺むれば 青田涼しく 風わたるなり〜
これは良寛さん。梅雨の晴れ間に外にでてみたら涼しげで青々しい田んぼの風景が広がっていた、と詠んでいる。
〜たまたまに 窓を開けば 五月雨に ぬけても咲ける 薔薇の赤花〜
こちらも窓を開けたらそこに真っ赤に咲く薔薇の花の姿があって、その鮮やかさに感嘆している様子が描かれている。病床に臥せることが多かった正岡子規によるもの。
〜我妻は 藤色衣 直雨に 濡れて帰り来 その姿よし〜
与謝野鉄幹の歌で、奥さんが藤色の着物で濡れて帰ってきたが、その姿が美しかったと詠んでいる。
〜梅雨に入りし その日駄洒落 ハピバスデイ梅雨 と言ふ 窓に向かいて〜
まさかの駄洒落が入った歌は、菊池孝彦。雨に対して誕生日おめでとう、と洒落込んでいる視点が面白い。

いずれも、鬱陶しい梅雨をどうにかして楽しもうとしていることがわかる。日常を愛でるということは、自然とともに生きることを尊ぶ、ということなのかもしれない。