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サザエさんに思うこと

藤原紀香さんがサザエさんを演じることで話題になった舞台「サザエさん」が東京と大阪で開催された。片岡愛之助さん・藤原紀香さん夫妻を応援しているので、大阪公演に駆けつけた。今回は10年後のサザエさんを描いており、サザエさん役の藤原紀香さんをはじめ、波平役には松平健さん、フネ役には高橋恵子と、そうそうたる顔ぶれである。ご存知の通り、サザエさんは昭和の家族の風景を描いた作品で、日曜夕方の放映を今も楽しみにしている人は多いだろう。
ところが、藤井はサザエさんを知らない。子ども時代に自宅にテレビがなかったということもあり、サザエさんのアニメを見ていないのだ。友人たちと連れ立って舞台「サザエさん」を見に行ったが、友人たちが笑うポイントがわからず、まったく別のところで涙腺を刺激されてしまったのだ、と。おそらく藤井は、サザエさんに描かれた昭和という時代への懐かしさとともに、子どもの頃の孤独感をも思い出していたのではないだろうか。きっと誰の心にも、その人だけのサザエさん観があり、郷愁のようなものがあるはず。長く愛される作品には、こうして人の心に残る力はあるということを、教えてくれている。