シー・クエンス
仕事ものがたり

忠臣蔵に想う、日本人の心
あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
年明け早々に御園座にて『忠臣蔵』の舞台に、女優の藤原紀香さんを応援している藤井と、周りのメンバーで出掛けた。藤原紀香さんは大石内蔵助の奥方である「りく」の役を。大石内蔵助は上川隆也さんが、吉良上野介は高橋克典さんが演じられた。忠臣蔵はご存じの通り、主君の敵討ちをする物語なので、現代のコンプライアンス重視社会においては、仇討ちとは何事か、というわけで、テーマとして扱われないことが多いのだそうだ。今の20代や30代に聞くと、忠臣蔵の物語を知らない人の方が多いくらいなのだと。すこし前までは、12月になれば日本のあちこちで忠臣蔵が演じられ、ドラマや映画になっていたことを思えば、本当に嘘のような話である。そこで今回どのような描かれ方をするかを観るのが楽しみであったが、演出が名古屋市出身の映画監督・堤幸彦さんということもあり、いわゆる正統派の忠臣蔵物語であった。吉良の首をとるぞ!と勇ましく構える義士たちの前で、大石内蔵助はこう語る。「利を得る人が賢く、損をする者は愚である、という今の世の中を誰も良いとは思っていない。我らは今のこのおかしな世に風穴を開けるために仇をとるのだ!」
いつの時代も忠臣蔵が愛されてきたのは、日本人らしい思想が随所に表現されているからなのだろうが、この大石内蔵助の台詞は、元禄というよりは、令和の今そのもののように思えてならなかった。