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ひな祭りは、平和の証

この季節に住宅街を散歩していると、家の窓からリビングなどに飾られたお雛様を見かけることがある。あるいは、気の利いた飲食店や会社受付などにお雛様のオーナメントが飾られていることも。昨年もこの時期にお雛様についてのコラムを書いたが、やはり小さな女の子が主役となる節句は、見ていて微笑ましいものである。

しかしながら、今のようなひな祭りになったのは、世の中が平和になった江戸時代以降のことで、さらに一般家庭に浸透したのは、昭和になってから。平安の時代には、無病息災を願うお祓いの行事の日で、同時期に貴族の家の女の子たちは紙などで作った人形でままごと遊びのようなことをしており、それは源氏物語などにも描かれている。無病息災のお祓いと、人形遊びの2つの要素がひとつになって、女性のためのお祭りとなったのは、戦国の時代が終わってからのことだった。江戸初期に京都御所でひな祭りが開催されたため、その後、習慣が市井へと広がっていった。やがて、女の子が誕生すると初節句として祝うようになり、ひな人形が誕生する。昭和になると、女の子の誕生に合わせてひな人形を購入することが風習として広まったが、これは人形屋のマーケティングの成功と言えようか。前回のコラムで書いたバレンタインが日本で独自に広まったという話と少し似ている。日本人はこうしたお祭りごとの商戦化に長けているのかもしれない。