シー・クエンス
仕事ものがたり

中日落語会から派生して、京都・宇治へと旅に出た
先月開催された中日落語会のトリに、春風亭一之輔師匠による「唐茄子屋政談」があった。ここに登場する唐茄子とは、かぼちゃのことをいうが、現代人はほとんど誰も知らない言葉だ。一説によると、かぼちゃは隠元禅師が日本にもたらしたものとも言われていることから、隠元禅師のことを調べていたら、インゲン豆を持ち込んだのも師なので、その名がついたことがわかり、興味がますます深まって師が開山した寺院を訪ねることに。黄檗宗総本山 萬福寺は、隠元禅師が明から帰国して開いていたもの。師は、煎茶、スイカ、普茶料理、明朝体、木魚など、日本に数多くの文化をもたらしている。藤井の故郷である山口県の錦帯橋は、隠元禅師の高弟である独立性易が技術指導したものと聞けば、さらに親近感を覚える。
一之輔師匠による唐茄子屋政談の素晴らしい落語の余韻は、こんなふうに派生して、京都・宇治への旅心を誘った。日本の歴史や日本人の風習、季節、文化、すべてと密接に関係している落語の、伝統芸能の奥の深さであると、実感したのである。